【なぜ?】オイシックスがあえて手間暇かかるミールキットを開発した理由【モノ→コトマーケティング】
オイシックス(らでぃっしゅぼーや)のミールキットは便利ですね。
主菜+スープも作れます。時短にもなります。
しかし、今回はあえて「便利」とは逆の「手間暇」のかかるミールキットを開発したそうです。
その真意とは何でしょうか?
日経MJ記事紹介~ミールキットあえて手間暇~
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オイシックス・ラ・大地は食材や調味料がセットになり手軽に自炊できるのが特徴のミールキットで、あえて時間と手間がかかるシリーズ「週末kit」を発売した。
休日に子どもと調理を楽しみたい家庭や、料理の腕を磨きたい消費者を想定する。これまで一般的だった時短ニーズではなく「体験」に主眼を置き、競争激しい市場で違いを打ち出す。
週末kitは傘下の「らでぃっしゅぼーや」が取り扱う。
第1弾は「ラップで作る手作りソーセージセット」(税別1880円)。
最大の特徴は調理時間だ。オイラ大地の主力ミールキット「キットオイシックス」の調理時間は約20分で、主菜と副菜が調理できる。この週末kitでは45~60分かかるうえ、副菜などもつかない。
これまで共働き世帯の時短ニーズや、栄養バランスの取れた食事を求める消費者の増加を追い風に伸長してきたミールキットの中では異色だ。
担当者は「顧客の声を受け、週末の日中にもミールキットの需要があることに気づいた」と話す。
同社が利用客に取ったアンケートでは休日の食事について理想と現実のギャップが浮き彫りになった。
「家族で料理をしたい」と考える利用客は5割弱だったが、実際ににしていたのは1割だった。8割が子どもと料理をする機会を増やしたいと考えていた。
これまでのミールキットは時短とおいしさに主眼を置いていたため、主婦が平日に1人で調理することが多かった。食材の無駄なく料理を楽しめるミールキットは時間の余裕がある休日の需要を満たせるとみて、開発を進めた。
今後は年末にかけて週ごとに新商品を投入する。骨付きの本マグロから身をすいて作るネギトロや、小麦粉の生地をこねるところから始めるピザなどを用意している。どれも「作ってみたいけど作り方が分からない」「時間がかかりそう」な料理が中心となる。 時間のかかるミールキットという新たな視点で、これまで各社も取り込めていなかった休日の食卓を開拓する。日経MJ20191030より
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モノ発想→コト発想へ転換 -行動マーケティング-
モノ発想からコト発想に転換することで、新たな需要を創造する(対峙する市場・商品、商品自体の性質も変化する)ことを学びました。
買う⇒捨てるまでの行動から商品デザインをしないといけないことにも気づかされました。
例えば、捨てる視点だと、最近ごみ袋が有料化(かなり高額の自治体もあり)し、ごみのかさを減らしたい需要は大きいはずで、かさばるプラ容器等は環境配慮(エシカル消費)の影響もあり受入れられなくなると予想できます。
モノ(商品:手段):ミールキット
コト(行動:目的):子供との時間、体験、レジャー (通常は「普段の食事」)
上記例はミールキットの目的(行動)を通常の「普段の食事」から新たな視点である「子供との時間」「体験」へ転換し、新たな需要を創造しようとしています。
潜在需要があれば、それが今回の新商品で顕在需要化するはずです。売れ行き、評判等を追跡してみます。
オイシックス(らでぃっしゅぼーや)のミールキットをまずは体験