穴ブログ~穴馬特化型予想~

穴にまつわるブログです。穴とは「欠点・弱点」のほかに「他人が気づかない良い事柄」 という意味もあります。私自身が穴だらけの人間であり、天邪鬼なため”穴”馬や”穴”場を好みます。 他人が気づかないことに気づける感性を持ち続けるためのブログです。

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【食品廃棄ロス削減】青果物の長期保存を可能にした三井化学の技術【野菜の価格安定】

 

ついに青果物の長期保存が可能になります。

食品廃棄ロスももちろん、

保存つまり、在庫に出来ることで需要と供給のバランスが取れるようになります。

そうすると価格が安定することにつながりますね。

これは消費者にとって非常にありがたいことです。

 

 

三井化学の青果用フィルム―低温下で「冬眠」半年新鮮(エコマテ注目技術)

2020/02/27  日経産業新聞  7ページ 

 三井化学は青果物の長期保存に役立つ包装用特殊フィルムを開発した。酸素や二酸化炭素(CO2)が透過する性質を持ち、袋の中の酸素濃度を一定に維持。低温下に置くとぶどうや柿が不活性の状態となり、新鮮な味を最長で6カ月近く維持できるという。まだ食べられる食品を大量廃棄する「食品ロス」の削減や、高級青果の輸出を支える技術として期待がかかる。
 開発したフィルム「アドフレッシュ」の材料は汎用樹脂のポリオレフィンだ。食品の長期保存に使う一般的なフィルムはガスを透過させるため、微細な穴が無数に開いた多孔質の状態にする必要がある。アドフレッシュは特定のガスを吸収し吐き出すポリオレフィンの特長を生かし、多孔質でなくても透過性を持つ。
 フィルムの設計では分子構造に工夫を加えたほか、重ねるフィルムの枚数を調整。アドフレッシュを包装袋にした際、青果物の呼吸で発生するCO2を外部に排出したうえで外気に含まれる酸素を内部に取り込むようにした。
 ぶどうやいちご、リンゴなどの青果物は収穫後も呼吸し果実内の養分を消費している。アドフレッシュの袋の中では、呼吸で排出されるCO2を外に出し、外気から酸素を取り込んで内部の酸素濃度を一定に維持して腐敗を防ぐ。
 さらに一定の酸素濃度にしたうえで冷凍直前の低温状態にすると、呼吸が抑制される。果実が不活性の状態となり劣化しにくくなる。高級ぶどうのシャインマスカットや柿では半年程度、味や鮮度を維持できた。他社のフィルムだと、ぶどうで2カ月程度の保存しかできなかったという。
 青果物の種類ごとに長期保存に適した酸素濃度は異なる。三井化学は酸素濃度が異なる複数のアドフレッシュの品種をそろえた。
 三井化学は工業向けから加工食品向けまで、幅広いフィルムを手掛けている。ただ生鮮品の長期保存用フィルムを開発したのはアドフレッシュが初めて。5月に発売し、地域の農協などに売り込みをかける計画だ。通常の食品包装フィルムに比べて割高になるため、付加価値の高い高級果実に用途を絞っている。
 三井化学のフード&パッケージング事業本部新F&P事業開発グループの諸橋慎サブグループリーダーは「長期保存できるため食品ロスを削減できる」と、シルムの効果に期待する。
 さらに有望なのがアジアなどへの輸出用の需要だ。2019年の農林水産物・食品の輸出額は9121億円と7年連続で過去最高を更新。これをさらに加速させるには、生鮮品の保存技術の向上が欠かせない。アドフレッシュを使えば青果物を空輸より低コストの船便で運べる。三井化学はアドフレッシュで3年後に10億円程度の売上高を目指す。(後藤宏光)